こんにちは。
今回は、よくご質問をいただく「煙」と「薪の乾燥」についてお話をさせていただきます。

薪の乾燥と、煙って関係があるの？

煙突からモクモクと立ち上る煙。
どうしてそんな現象が起きてしまうのでしょうか。

理由はさまざまですが、大半は乾燥していない薪を使っていることが原因なのです。

それでは、なぜ乾燥していない薪を使うと煙が発生してしまうのか、詳しく見ていきましょう。

乾燥していない薪には水分が含まれている

乾燥していない薪には、水分が多く含まれています。
水分が多く含まれていると、薪をしっかりと燃焼させることができず、不完全燃焼が起きてしまいます。

また、薪に含まれている水分が飛ぶまで（乾燥するまで）火がしっかりとつかず、モクモクと煙が出るようになってしまいます。

そして、煙が出てしまうということだけではなく、暖かさも半減してしまいます。
煙が出て、暖かさもない、こんな状況は避けたいところですよね。

この状況は、乾燥した薪を使うことによって解消することができます。

重要なのは含水率（がんすいりつ）

「含水率」という言葉を聞いたことはありますか？

含水率とは、物質に含まれる水分の割合を示した比率です。
以下の図に簡単にまとめてみました。

1000g（1kg）の薪の含水率が、15％だとすると、150gの水が含まれているということですね。
一般的にコップ一杯のお水の量は、150ml～200mlと言われていますので、コップ一杯の水が含まれているということになります。

これが含水率50%になると、水が500g含まれていることになります。
なんと、コップ約3杯分もの水が含まれているのです。

乾燥した薪の目安は、含水率20%以下！

乾燥した薪の理想的な目安は、含水率20%以下と言われています。

例えば、薪ストーブの燃焼室に、含水率50%の薪を入れるということは、コップ3杯分の水を同時に入れることになります。
熾火（おきび）がしっかりとできていても、薪に含まれる水によって、少なからず消火活動がはじまってしまいます。

火のついたものに水をかけると、モクモクと煙が上がるのを見たことはありませんか？
実はあれも、不完全燃焼が原因の煙なのです。

乾燥した薪の場合、薪がしっかりと燃えてくれて、発生する煙（可燃性ガス）も燃料として燃焼させることができれば、完全燃焼となります。
完全燃焼させられれば、煙が出ることもなくなり、薪ストーブならではの心地よい暖かさを感じることができます。

しかし不完全燃焼を起こすと、煙がモクモクと出てしまい、熱量も不十分で暖かさを感じることができません。
また、煙が出てしまうということは、ご近所トラブルにも繋がってしまうこともありますので、乾燥した薪を使うということは、とても大切なことなのです。

ちなみに「15%でも水が含まれていたら、不完全燃焼を起こしてしまうのでは？」という声もお聞きすることがあるのですが、15～20%程度の水分量であれば、薪の熱量で十分に乾かすことができますよ。

薪の乾燥にかかる時間は？

乾燥した薪となると、気になるのは、薪が乾燥するまでにかかる時間（期間）ですよね。

薪の乾燥に必要な期間は1年～2年と言われています。
薪ストーブのオフシーズンに薪を乾燥させ、オンシーズンになったら乾燥させた薪を使うという方も少なくありません。

ただ、薪は自然のものですので、乾燥スピードは薪によってさまざまです。

例えば薪の形状によっても変わってきます。

簡単に言ってしまえば、細かく薪割りをすればするほど、乾燥はより早くなります。
ただ、火持ちのことを考えれば、太めの薪も確保しておきたいと思いますよね。

そんなときは、薪の樹皮を下にして（以下の黄色枠部分のようにしておく）乾燥させましょう。
乾燥スピードも早くなり、カビや腐りの防止にも繋がります。

最後に

いかがでしたか。

乾燥した薪を使うって、とても大切なことなんです。

ただ、難しく考える必要はありません。

乾燥した薪を使う。
湿った薪は使わない。

これらを心がけておくことで、グッと薪ストーブライフが楽しくなりますよ。

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