薪ストーブの教科書|エイトノットストーブ

薪ストーブで薪を楽しむ

積み上げられた薪

薪ストーブライフに欠かせない「薪」
薪がなければ、薪ストーブはその暖かさを生み出すことはできません。

このページでは、薪の種類や薪づくりの方法、道具の種類、薪の乾燥、薪の調達方法などをご紹介させていただきます。

薪の種類

信州の森

薪の元となる木の種類はたくさんあり、全てを把握するのはとても大変です。
ここでは薪となる木の種類の一部をまとめました。

コナラ(ナラ属 / 広葉樹)
多くの薪ストーブユーザーが利用をしている薪(広葉樹)です。
火力や火持ちに優れていて、パチパチという音が心地よく鳴ります。
ちなみに薪がパチパチとはぜる音は、木の心材にある古い導管細胞中の空気が膨張して破裂するときに発生します。
ようするに、木の中に蓄えられた空気が破裂する、ということですね。
ナラ属の木は虫に食べられにくく、乾燥しても樹皮が剥がれにくいので、長期間の保存にも向いています。
繊維がまっすぐ入っているので、薪割りも簡単です。
クヌギ(ナラ属 / 広葉樹)
高い火力と長い火持ちが特徴で、高品質な炭の材料としても広く知られています。
コナラやクヌギなどのナラ属の木が薪として優れている理由は、カリウムの含有量が高いから。
カリウムは加熱されると、酸素と水素を優先的に結びつけるため、酸素の消費量を抑えることができます。
酸素の消費量を抑えることにより、熾火(おきび)の燃焼速度が遅くなり、火持ちが良くなります。
ヤマザクラ(バラ科 / 広葉樹)
サクラなどのバラ科の木は、甘い香りが発生します。
燻製チップとしても、利用されていることで有名です。
重量は重めで、火持ちにも優れています。
ハリエンジュ(マメ科 / 広葉樹)
別名はニセアカシア。
北米原産のマメ科の帰化植物です。
ナラにそっくりな外見で、見分けるのは難しいのですが、割ると心材が緑っぽい色をしているのが特徴です。
火力・火持ちともに優れています。
ミズメ(カバノキ科 / 広葉樹)
別名はヨグソミネバリ。
梓(あずさ)という呼び方も有名です。
堅く、そして粘り強いという特性から、弓などに用いられていました。
カバノキ科ですが、見た目はサクラにとても良く似ています。
火力・火持ちともに優れています。
クマシデ(カバノキ科 / 広葉樹)
薪炭林でも産出量が多い樹種なので、雑木扱いされています。
シデの他の種類に、イヌシデやアカシデ(別名ソロ)というものもあります。
薪としても優秀です。
オニグルミ(クルミ科 / 広葉樹)
クルミ科の木はとても軽いのが特徴です。
軽いため、火力が悪いと思われがちですが、クヌギに負けない火力を持っています。
軽くて火力が高いため、火持ちはやや控えめです。
クリ(ブナ科 / 広葉樹)
クリの薪は、燃やすとよくはぜます。
大きな音を立てて火の粉を散らすので、囲炉裏などで使用することはできません。
クリの導管細胞は樹木の中でも世界最大級の大きさで、含まれる空気が多く、「パンッ」という音が発生します。
その点さえ注意すれば、火力・火持ちに優れた薪です。
シラカバ(カバノキ科 / 広葉樹)
とても軽く、コルクを思わせます。
樹皮には脂分を含んでいますので、焚き付け材としても優秀です。
着火性の良さは広葉樹でトップクラスですが、その分、火持ちは劣ります。
アカマツ(マツ科 / 針葉樹)
陶芸家に重宝されているのが、アカマツです。
脂分である松ヤニが火力を高め、陶芸作品ができるまでの高温を実現することができます。
しかし、これは陶芸に使用した場合の特殊なケースです。
薪として使用をするには、火力・火持ちともにやや劣ります。
スギ(ヒノキ科 / 針葉樹)
成長の早い針葉樹は、建築材などに活用されるため、全国に大量に植林されました。
それらの理由から、木材価格も安価です。
火力が非常に高く、着火性能も抜群なので、早く暖をとりたい時には最適です。
モウソウチク(イネ科 / 竹)
タケはヤシと同じ被子植物単子葉類なので、実は分類学的には広葉樹に近いです。
しかし、中が空洞であるため、燃焼特性は針葉樹を極端にしたようなものになります。
火持ちは極端に短いですが、火力は非常に高いです。

いかがでしたでしょうか。
すべての薪を紹介すると膨大な量になってしまうので、一部の薪をご紹介させていただきました。

薪ストーブで必ず使うことになる薪ですので、特性を知って楽しみながら使いたいですね。

薪づくり(薪割り)の方法

原木

原木から薪を作るためには、もちろん薪割りをすることになります。
ここでは、簡単な薪割りの方法をご紹介させていただきます。

薪割りをするためには、2通りの方法があります。

  1. 斧を使う
  2. 薪割り機を使う

それぞれの方法について解説していきます。

斧での薪割り

薪と斧

斧での薪割りには、体を動かして原木から薪を作り出すため、スポーツのような爽快感があります。
薪割りがしたくて薪ストーブのオーナーになった方や、オーナーになってから薪割りにハマったという方が多くいらっしゃいます。
日々の生活で使うエネルギーを自分の力で作り出す感覚は、家庭菜園で野菜を作るように、自給自足をしているという満足感があるのです。

斧での薪割りに慣れた時の感動はなんとも言えないものです。
上手に薪割りをして、より薪ストーブライフを楽しみましょう。

斧での薪割りのコツ

  • 自分の体に合った斧を選ぶ(柄の長さ、ヘッドの重さ)
  • 動きやすい服装で、つま先が保護された安全靴を履き、手袋を着用
  • 足幅は肩幅に開き、斧は正面に構える
  • 周りに人はいないかなど、安全確認をする
  • 斧を原木の上に置き、柄の終わりと体の間に拳ひとつ程の距離をとる
  • 斧を体の中心に沿って、頭上へと上げる
  • 斧の到達点は、薪割り台であることを目標にする
  • 斧を振り落とす際は、上半身は使わず、膝を深く曲げて、腰を低く落とすことを意識する

薪割り 女性

慣れれば女性でも、薪割りを楽しむことができます。

ちなみに焚き付け材として、普段の生活の中で出るものが役に立つことも多くあります。
新聞紙牛乳パック割り箸などを焚き付けに利用することで、ティンダーやファインティンダー(細い小枝や木を薄く削ったもの)を用意しなくて済みます。

薪づくりを楽しむことはもちろんですが、ちょっとした工夫も楽しんでいきましょう。

薪割り機を使用した薪割り

薪割り機

斧での薪割りが楽しいのはもちろんですが、手間を減らしたいというのも人情ですよね。
短時間で一気に薪を割りたいときには、薪割り機が便利です。

薪割り機には、エンジン式と電気式がありますが、破砕力のカタログ数値が同じでも、エンジン式のほうが結果的にパワーがあり、使い勝手に優れることが多くあります。

薪割り機も、斧での薪割りと同様に安全確認をしっかりとして使用しましょう。

薪の乾燥について

薪ストーブで使う薪は、どんなものがいいのかと聞かれることがあります。
これに対しての答えは、乾燥している薪を使用すること
乾燥しているかどうかは、樹木の種類よりも大切なんです。

乾いていない薪を使用すると、火力が上がりにくかったり、不完全燃焼を起こしやすかったりします。
不完全燃焼を起こすと、炎が見えていても暖かさが足りず、煤(すす)が多く発生してしまいます。

乾燥した薪を使えば、完全燃焼することができ、煤もでません。

また、熾火(おきび)がたくさん出来たからと言って乾いていない薪を燃やすということは、せっかく完全燃焼をしようといてる燃焼室に、水を入れてしまうということになりかねませんので、注意が必要です。

続いて、薪の保管方法についてお話します。

薪の保管方法は、少しの雨でしたら気にしなくても大丈夫です。
気になる場合(屋根がない場合)は、ビニールなどを天部分に被せれば問題ありません。

自然の生木から作った薪を保管する場合は、井の形に薪を組み、樹皮を上にしておく(以下の緑枠部分のようにしておく)と早く乾燥し、カビや腐りを防ぐことができます。

薪の保管方法

薪の調達方法について

「薪をどうやって調達すればいいの?」というご質問をよくいただきます。
薪は天然の資源ですので、工夫をすることにより、お金をかけずに集めることができたりします。

もちろん手間を省くという意味で、薪販売業者から購入する方も多くいらっしゃいます。

以下に、薪を入手する方法を簡単にまとめてみました。

  1. 薪ストーブ専門店や燃料取り扱い店からの購入
  2. インターネットの薪取り扱い店からの購入
  3. 地域にある薪サークルなどの団体に参加する
  4. 木材加工所や製材所などで出る端材をもらう
  5. チップ工場から直接原木を購入
  6. 造園業者の間伐材等を引き取る
  7. 森林組合、営林署などに間伐材等がないかを問い合わせる
  8. 山や森林を所有している人に尋ねてみる

それぞれの方法について、もう少し詳しく説明していきます。

1.薪ストーブ専門店や燃料取り扱い店からの購入
薪ストーブ専門店は、薪ストーブを専門に販売している店舗。
燃料取り扱い店とは、プロパンガスや灯油などを使用する暖房器具を販売する店舗のことを言います。

薪ストーブ専門店や燃料取り扱い店の中には、薪を販売している店舗が多くあります。
もちろん販売をしていない場合もありますので問い合わせが必要となりますが、ホームセンターなどで購入するよりも安く購入できることが多いため、心強い味方となります。
2.インターネットの薪取り扱い店からの購入
薪ストーブ専門店や燃料取り扱い店の中には、インターネットで薪を販売されている店舗さまが多くいらっしゃいます。
運ぶ手間がないというメリットがありますが、送料がかかるというデメリットもあります。

購入をする際は自宅に近い店舗を選び、送料を節約するのがオススメです。
3.地域にある薪サークルなどの団体に参加する
山林は放置してしまうと荒廃してしまうため、整備をするボランティア団体が多く存在します。
具体的には登山口の林道の確保や、ナラ枯れの木を伐採したり、倒木した木などを処理・整備する活動団体です。

これらの活動内で伐倒した木は不要になる場合が多いです。
処理するにはお金がかかりますし、どうせ焼却するのであれば、薪ストーブで燃料として使用したいですよね。

もちろん事前に確認は必要ですが、薪として無料に持ち帰ることができることがありますので、参加している薪ストーブユーザーは少なくありません。
またサークルによっては、薪割り機を共同で利用したりできるなどのメリットもあります。
4.木材加工所や製材所などで出る端材をもらう
木材加工所や端材所、はたまた建築現場(工務店など)では毎日不要の端材が発生します。

この不要な端材は、薪ストーブの燃料として利用することが可能です。
近所で建築が始まったりした際に、一声掛けられる方も多くいらっしゃいます。

建築業者さんとのお話がうまくいけば、定期的に端材をもらえることがあります。
5.チップ工場から直接原木を購入
チップ工場とは、木材を破砕して木材チップを生産する工場です。
チップ工場には年間t単位の木材が運ばれてきます。

使いにくい形状(細すぎる・柔らかい・曲がりがある)の原木は、用途が限られてしまうため、木材チップとして活用されることが多いのですが、燃料として使用するのであればなにも問題はありません。

安価で購入ができるため、原木の購入をする方にとっては嬉しい限りです。
※原木の購入となる場合が多いため、薪割りをする必要があります。
6.造園業者の間伐材等を引き取る
造園業者の現場で出る不要な原木は、産廃業者にお金を払って処分してもらっています。
街路樹の選定や道路拡張、宅地開発、公園などの整備など、処分される原木の発生は多いのです。
近所の植木屋さんや造園屋さんに聞いてみると、譲ってもらえるケースは少なくありません。

もちろん原木はご自身で運ぶパターンがほとんどですので、あまり大きなものは持って帰れないなどは、事前にお伝えするのも重要です。
7.森林組合、営林署などに間伐材等がないかを問い合わせる
森林組合や営林署、河川組合、役所の土木課、果実農園、農園などでは、原木(薪)を無料配布しているところが多くあります。
配布を行っていなくても、廃棄処分にお金をかけているところがほとんどですので、問い合わせをすればいただけることがあります。

こちらもご自身で運ぶ必要があります。
8.山や森林を所有している方に尋ねてみる
山や森林を所有している方に、伐採木や不要な枯れ木をいただけないかを問い合わせると、無料でいただけることがあります。
いきなり木を持って帰ってもいいかとお願いをすると驚かれてしまうので、連絡先や住んでいる場所、使用用途などをしっかり伝えましょう。

山や森林には所有権がありますので、倒木と言えど勝手に持ち帰ることは厳禁です。

薪の入手方法は工夫次第。
せっかく薪ストーブライフを手に入れたのなら、薪の調達も楽しんじゃいましょう!