薪ストーブの教科書|エイトノットストーブ

薪ストーブのメリット・デメリット

言葉では言い表せない心地よい暖かさ───。
パチパチと爆ぜる音と、不規則に揺れる火の揺らめき。

身体だけではなく心さえも暖めてくれる薪ストーブは、家電製品にはない多くの魅力があります。

ただ、家電製品には電気や灯油、薪ストーブには薪といったように、それぞれに必要なものがあったり、導入にあたってのメリット・デメリットも存在します。

この記事では、薪ストーブのメリットとデメリットについて解説します。

薪ストーブのメリット

薪ストーブには、以下のようなメリットがあります。

●メリット

1.光熱費がかからず、環境に優しい
2.料理に利用できる
3.薪ストーブならではの暖房効果
4.火の揺らめき・音でリラックス効果を得られる
5.災害時の備えになる
6.暮らしを豊かにしてくれる

それぞれ詳しくみていきましょう。

【メリット1】光熱費がかからず、環境に優しい

薪ストーブは薪を燃料としているので、当然のことながら光熱費がかかりません。
もちろん薪の調達は必要ですが、それさえクリアしてしまえば、暖まりムラのない心地よい空間を手に入れることができます。
この暖かさは、熱風で得た暖かさとはまるで違うもので、じんわりと身体を芯から温めてくれます。

また、薪を燃焼させた際に発生する二酸化炭素は、木が成長をする過程で大気中から吸収をしたものです。
そのため、燃焼する際に二酸化炭素を排出したとしても、木が蓄えていた二酸化炭素を大気に排出し、別の木が光合成で二酸化炭素を吸収するという循環が成り立ちます。

これを「カーボンニュートラル」と言います。

自然界の中で二酸化炭素を循環させているので、地球全体で見たときに、二酸化炭素の総量は変わらないんです。

カーボンニュートラル 仕組み

一方、灯油などの化石燃料は、古代の植物や動物が変化したものです。
つまり、化石燃料を燃焼すると、数億年も前に吸収された二酸化炭素を現代の大気に放出することになります。

古代の二酸化炭素を現代に排出するということは、自然の二酸化炭素の循環から外れてしまい、結果的に二酸化炭素の増加に繋がってしまうのです。

これらのことから、薪ストーブは地球環境に優しい暖房と言われています。

【メリット2】料理に利用できる

薪ストーブは暖房としてだけでなく、料理を楽しむこともできます。

エイトノットの薪ストーブを例にあげると、300℃オーバーのグリルオーブンを搭載しているため、定番のピザやグラタン、ローストチキンなどのパーティー料理はもちろんのこと、日々の料理でも活躍します。

また、密閉された空間で熱を入れるため、調理の過程で水分を過剰に逃がすことがありません。
さつまいもを1つオーブンに放り込んで焼くだけでも、その甘味とホクホクな食感を味わっていただくことができます。

さらに、天板を使ったコトコト煮込み料理など、幅広い料理を楽しむことができますよ。

アツアツの料理をみんなで味わえば、場が盛り上がることも間違いなし!

【メリット3】薪ストーブならではの暖房効果

薪ストーブは太陽の熱と同じように輻射熱(遠赤外線)を発して部屋を暖めるため、まるで日光浴をしているような心地良い暖かさを感じることができます。

例えば、エアコンの場合は「暖かい空気を送る」という仕組みですが、薪ストーブは「輻射熱(遠赤外線)」によって温めるため、暖かさの質に根本的な違いがあります。

では「輻射熱」や「遠赤外線」とは、どういったものなのでしょうか。

まずは、輻射熱について解説します。
輻射熱とは、熱をもった物質が放つ赤外線が他の物体にぶつかったときに発生する熱のことを言います。

最も身近な例が「太陽」です。

太陽と聞くと暖かいイメージがありますが、太陽は地球にそれほど近い位置にあるわけではなく、また、宇宙はとても冷たい空間です。
それでは、なぜ地球は太陽の熱の恩恵を受けることができるのでしょうか。
それは、太陽から発せられる輻射熱が地球に届き、地表や物体に当たることで熱が発生しているからなんです。

薪ストーブに置き換えてみましょう。

薪ストーブの場合、本体が火によって暖められ、太陽のように輻射熱を発します。
すると、その輻射熱が壁や物に当たり、部屋全体をムラなく暖めてくれるというわけなんです。

薪ストーブ 暖かさ 図

次に、遠赤外線について解説します。

遠赤外線とは、電磁波の一種である赤外線の中の、波長が長い光線のことを言います。
この遠赤外線の波長は、人の身体によい影響を与えるという特徴があります。

そんな遠赤外線には、「育成光線」と呼ばれる波長帯が含まれています。

遠赤外線 育成光線の仕組み

育成光線は、水分を多く含む物体の深部まで熱エネルギーを伝えることができます。

薪ストーブの場合、火室から放射される遠赤外線(育成光線)の熱エネルギーが、血液(水分)に乗って身体全体まで効率よく伝わり、その結果、身体の芯まで温まり、その暖かさが持続するという効果が生まれます。

薪ストーブは、薪ストーブ本体から発せられる輻射熱と、火そのものから発せられる遠赤外線によって、部屋も身体も暖めてくれます。
この暖かさは薪ストーブならではで、家から寒い外に出かけてもすぐに身体が冷えることがありません。

包み込むような心地良い暖かさは、まさに「陽だまりのような暖かさ」で、一度味わうとなかなか抜け出せません。
薪ストーブならではの暖房効果ですね。

【メリット4】火の揺らめき・音でリラックス効果を得られる

薪がパチパチとはぜる心地良い音を耳にしながら、美しく燃える火の揺らぎを目にして癒される。
薪ストーブだからこそ体感できる醍醐味のひとつですよね。

実はこのリラックス効果は科学的にも証明されていて、「1/fゆらぎ」と呼ばれる効果が関係しています。

「1/fゆらぎ」とは、不規則性と規則性がバランスよく調和している周波数のことを言います。
1/fゆらぎは火だけではなく、小鳥のさえずりや木漏れ日、雨音なども該当します。
私たち人間の心拍音も1/fゆらぎと言われており、生体リズムと同じ周波数を感じることで癒やし効果を受けられるというわけです。

薪ストーブは、身体だけではなく心も暖めてくれる暖房なんです。

薪ストーブ 火の揺らめき

【メリット5】災害時の備えになる

薪ストーブは電気を必要としません。
そのため、災害時などに電気が止まってしまった場合にも、薪とマッチさえあれば暖をとることができます。

また、燃焼している火が灯りになるので、真っ暗な夜間にも役立ちます。

「地震時に薪ストーブの転倒が心配」というご相談をいただくこともありますが、適切な施工方法で設置されている薪ストーブであれば、心配しなくても大丈夫です。

煙突とも接続されていますので、家が倒壊してしまうような大きな地震でなければ、軽量な石油ファンヒーターなどと違い、転倒する可能性はとても低いです。

薪ストーブが設置されている家

【メリット6】暮らしを豊かにしてれる

寒さ厳しい真冬に、薪ストーブを焚いて家の電気を消す。
しんしんと雪が降るなか、半袖Tシャツで雪見酒を楽しみながら、薪の準備で苦労した夏の自分を労ってあげる。

薪棚に積まれた潤沢な薪を眺めてつい笑顔になりながら、来年は中学生になる息子と薪割りをしようかなと、思いをはせる───。

まるで映画のワンシーンのような優雅なひとときを実体験できるのも、薪ストーブの魅力のひとつ。

冬は寒く厳しいですが、薪ストーブがあると冬が楽しく待ち遠しくなります。

もちろん全自動の暖房器具とは違い手間はかかりますが、オフシーズンの薪の準備さえも日々のリフレッシュになるほどです。

確かに手間がかかって、面倒くさい。
でも、薪ストーブには、その面倒を超える満足感があるのです。

薪ストーブで暖をとる人

薪ストーブのデメリット

続いて、薪ストーブのデメリットについてお伝えします。
薪ストーブのデメリットは、主に以下の2点です。

●デメリット

1.手間がかかる
2.薪の調達が必要

【デメリット1】手間がかかる

メリットの解説でも何度かお伝えしましたが、薪ストーブはとにかく手間がかかる暖房器具です。

朝早く起きて薪を焚き付け、部屋の温度が下がれば薪を運びくべる。
そして、灰の片付けや煙突掃除をし、次の冬に向けて薪の準備をする。

スイッチひとつで暖を取れる家電機器とは違い、頑張りが必要なのは確かです。

ただ、薪づくりや煙突掃除、メンテナンスをちゃんとこなした人は、来たる冬に大きな恩恵を受けることができます。

頑張った時間以上の喜びを味わえるのも、薪ストーブオーナーならではの体験です。

薪ストーブ おつまみ

【デメリット2】薪の調達が必要

薪ストーブの燃料は「薪」なので、薪の調達は欠かせません。

「薪はどうやって調達すればいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
薪は天然の資源ですので、工夫をすることにより、お金をかけずに集めることができたりします。

もちろん手間を省くという意味で、薪販売業者から購入する方も多くいらっしゃいます。
工務店や大工さんから産業廃棄物扱いの建築端材をいただくのも一つの手です。

さまざまな方法がありますが、以下に一部を紹介させていただきます。

1.薪ストーブ専門店や燃料取り扱い店からの購入
2.インターネットの薪取り扱い店からの購入
3.地域にある薪サークルなどの団体に参加する
4.木材加工所や製材所などで出る端材をもらう
5.チップ工場から直接原木を購入
6.造園業者の間伐材等を引き取る
7.森林組合、営林署などに間伐材等がないかを問い合わせる
8.山や森林を所有している人に尋ねてみる

また、使い終わった割りばしも焚き付け材として使うことができますよ。

本来は破棄される木材を有効活用できる。
むしろ、積極的に手に入れたいという感覚は、薪ストーブオーナーにしか分からない部分かもしれません。

さらに踏み込むと、薪には「針葉樹」と「広葉樹」という種類があります。

一般的に針葉樹は広葉樹よりも手に入りやすく、安価です。

針葉樹は油分が多く、密度が低いため、燃えやすく火持ちが短めです。
広葉樹は油分が少なく、密度が高いため、燃えにくく火持ちが長めです。

そのため、針葉樹を使うと火力が高いので、温度が上がりやすいのです。
ただ、火力が高いということは、その分薪ストーブへ負荷がかかることになります。

例えば「鋳物」の薪ストーブの場合、針葉樹をたくさん焚いてしまうと、熱が上がりすぎて割れてしまう恐れがあります。
解決策としては、薪ストーブに温度計を取り付け、本体温度を管理するという手段があります。

エイトノットの薪ストーブの場合は、「鋼板製」なので割れる心配がありません。
火室は自社オリジナル配合のモルタルで被覆されていて、針葉樹で温度を上げても、歪み等が発生しない頑強なつくりになっています。

これは、針葉樹が多い「信州」で設計・開発をされた強みでもあります。

まとめ

薪ストーブを導入するにあたり、みなさま多くのお悩みを抱えているかと思います。

他の暖房器具に比べて、手間がかかってしまう。
これは、間違いなく真実の部分です。

ただ、それを乗り越えられるのであれば、薪ストーブは生活をまるで変えてしまうかのような、大きな恩恵を与えてくれます。

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